






東北地方を中心に日本中に大きな傷痕を残した東日本大震災から約4ヶ月が経過した2011年7月に週刊誌の取材で訪れた「猫の島」として有名だった宮城県田代島。その時に出会った1匹の猫にまた会いたいという想いで折に触れて訪れるようになり、訪れる度に少しずつ復興に向けて変わっていく島の様子と、そんな事は我関せずと言わんばかりに相変わらずマイペースに過ごす島の猫たちを写真に収めてきました。
2020年から続く新型コロナウイルスの世界的な流行は未だ収束への道筋が見えぬまま、先の見えない日々を過ごす私たちの心に昏い影を落とし続けているように感じます。あの未曾有の災害とは比ぶべくもないながらも、否応なく変わってしまった日常に息苦しさを覚える今、島を訪れる度に私自身が感じた前向きな変化を受け入れる柔軟さやどんな状況でもそっとそばに寄り添う存在の有り難さが変わっていく田代島と変わらない猫たちの写真を通してほんの少しでも前向きなメッセージとして届くことを願っています。
発行元:Maison PHOTOGRAPHICA
発行日:2022年2月22日
サイズ:182mm×257mm
ページ数:176ページ